ワクチンの特許除外 独ビオンテックも反対 ファイザーと共同開発
ドイツ政府報道官は6日、新型コロナウイルスワクチンに関する製薬会社の特許権を一時的に適用除外するとの米国の方針について、ワクチン生産に「深刻な事態」を生じさせるとして反対の姿勢を示した。米ブルームバーグ通信などが報じた。
バイデン米政権が途上国などでのワクチン生産を広げるために適用除外を支持したことにより、世界貿易機関(WTO)でのワクチン特許を巡る交渉の進展が期待されたが、ドイツが反対を表明したことにより、協議の行方が見通せなくなっている。
報道によると、ドイツ政府報道官は「知的財産の保護はイノベーションの源泉で、今後もそうでなければならない」と指摘。研究開発への投資によって利益が生まれるという励みがなくなれば、製薬会社が将来のワクチン生産に積極的に動かなくなるとの見解を示した。
ドイツメディアによると、米製薬大手ファイザーとワクチンを共同開発したバイオ企業ビオンテック(本社・ドイツ西部マインツ)も6日、特許権の適用除外に反対の意向を示した。適用除外にした場合、ワクチンの品質や安全性などが保証されない恐れがあるとしている。【ベルリン念佛明奈】by結城洲央